手や肘の痛み
代表的な疾患
症状
物を持ち上げる動作やタオルを絞る動作をした時に、肘の外側から肘下から手首にかけての腕に痛みが生じます。多くの場合、安静にしている時に痛みはありません。
原因
一般的には年齢とともに肘の腱(骨と筋肉を結ぶ組織)が痛むことやオーバーユーズで発症することが多いです。
中高年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と言われています。
治療法紹介
専用のバンドを装着して、スポーツや手をよく使う作業を控えます。湿布などを処方して肘に麻酔注射を打つこともあります。理学療法士によるリハビリテーションで手首や指のストレッチを行います。
生活注意
・痛みの強いときは三角巾・アームスリングなどで安静を図ります。
・急性期の疼痛は温めると炎症が強くなるので、入浴は湯船に入らず、シャワーのみにして下さい。
・飲酒も控えてください。
1.テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
2.肘内障
症状
2~6歳くらいのお子さんによく起きる症状です。腕を引っ張られた後に腕を動こそうとすると痛みが生じ、腕を下げたまま肘を曲げようとせず、触られることを嫌がることもあります。
原因
肘の靭帯(関節の骨を結ぶ紐のような組織)から肘の外側の骨が外れかかることによって生じます。
治療法紹介
骨を正しい位置に戻す整復術を行います。
3.橈骨遠位端骨折
症状
手首に強い痛みがあり、短時間のうちに腫れてきます。手の平をついて転んだ後には、食器のフォークを伏せて置いたような形に変形することがあります。手に力が入らず、反対の手で支えなければいけない状態になります。親指から薬指にかけてしびれを伴う場合もあります。
原因
手の平をついて転んだり、自転車屋バイクに乗っている時に転んだ時などに、腕の肘から下にある骨が手首のところで折れることで生じます。折れた骨や腫れで神経が圧迫されると、指にしびれが出ます。
治療法紹介
腕に麻酔の注射を打ってから、ずれた骨を元に戻す整復術を行います。そのままギプスなどで固定します。整復術で骨の位置が戻らない場合は手術が必要です。
症状
親指を広げたり動かしたりすると、手首の親指側に痛みや腫れが生じます。
消炎鎮痛薬の内服や湿布薬・塗り薬の使用で炎症や痛みを抑え、親指の過度な使用を避けて安静にします。
4.ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
原因
手の使いすぎやスポーツ等で指を良く使う人に多いです。
また、女性ホルモンのエストロゲンには炎症を抑え、腱鞘内(腱が滑らかに動くように支える組織)の腱(骨と筋肉を繋いでいる組織)の動きの滑らかさを保つ作用がある為、そのホルモンが急に減る時期の妊娠出産期や更年期の女性にも多く見られます。親指側の腱を包む腱鞘に炎症が起こり、腱がスムーズに動かなくなり、痛みが生じます。