腰の痛み
腰の痛みは、多くの人が経験する一般的な不快感です。腰の痛みの原因はさまざまで、筋肉や靭帯の損傷、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症などの疾患があります。
腰の痛みは、急性的に発生することも、慢性的に持続することもあります。腰の痛みの程度や性質は、個人差が大きく、鈍い痛みや鋭い痛み、しびれやひきつれなどの神経症状を伴うこともあります。

腰の痛みを改善するためには、まずは原因を特定することが重要です。医師による診断や検査を受けることで、腰の痛みの原因が明らかになります。
原因によっては、薬物治療や理学療法、手術などの治療法が適用されます。また、日常生活で注意することも大切です。姿勢を正しく保つことや、適度な運動をすることで、腰の筋力を強化し、負担を減らすことができます。逆に、重いものを持ち上げることや、長時間同じ姿勢でいることは、腰に負担をかける原因となります。
腰の痛みは、放っておくと悪化する可能性があります。早めに対処することで、より良い生活を送ることができます。腰の痛みに悩んでいる方は、以下の症状について確認してください。
急性腰痛症(いわゆるぎっくり腰)
症状
急に起こる強い腰の痛みのことで、病名や診断名ではありません。
物を持ち上げようとした時や、腰をねじるような動作をした時に起こることが多いです。
足にしびれがあったり、力が入らない等の症状がある場合、他の疾患の可能性もありますので、医療機関を受診して正しい診断を受けることが重要です。
原因
原因は様々で、腰の関節や椎間板(骨をつなぐクッションの役割を持つもの)に許容以上の力が加わることで怪我をした様な状態になることや、腰を支える筋肉や筋などが損傷して起こることが多いと考えられています。
治療・アドバイス
痛みの程度に合わせて消炎鎮痛薬の内服や、ブロック注射を行います。
更に理学療法士によるリハビリで、腰に負担のかからない姿勢指導や日常生活指導を行うことで、症状の軽減、再発予防をします。
当院では必要に応じ、漢方や鍼治療やパーソナルトレーニングなども行っております。
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筋筋膜性腰痛症
症状
日常生活やスポーツ動作で、腰を支える筋肉に負担がかかったときに痛みが生じます。特に腰をそると痛みが強くなるのが特徴。
安静によって痛みが落ち着くこともありますが、骨折等を伴っている場合もあるため、医療機関を受診して正し診断を受けることが大切です。
原因
過度の運動や過労、不良姿勢、筋力低下などから起因することが多いです。
治療・アドバイス
痛みの程度に合わせて消炎鎮痛薬の内服やブロック注射を行います。
さらに理学療法士による運動器リハビリで腰痛を軽減します。
当院では必要に応じ漢方や鍼治療やパーソナルトレーニングなども行っております。
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腰椎椎間板症/腰椎椎間板ヘルニア
症状
腰やお尻の辺りが痛み、足にしびれがでたりします。
特に腰を前かがみすると痛みが強くなるのが特徴です。
ひどくなると足に力が入りにくくなります。
上記症状があれば医療機関を受診して正し診断を受けることが大切です。
原因
背骨をつなぐクッションの役目をしている椎間板の一部が出てきて、神経を圧迫して発症します。
加齢や悪い姿勢での動作、肥満、喫煙でも起こりやすくなると言われています。
治療・アドバイス
痛みが強い時は、コルセットなどを装着して安静を心がけます。
消炎鎮痛剤の内服や座薬の使用、神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射したりして(ブロック注射)痛みを和らげます。
痛みが落ちついたら理学療法士による運動器リハビリで、体幹を強化し腰に負担のかからない姿勢指導や日常生活指導を行い、症状の軽減および再発を予防します。
当院では必要に応じ、漢方や鍼治療やパーソナルトレーニングなども行っております。
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腰部脊柱管狭窄症
症状
安静にしている時はほとんど症状はありません。
もっとも特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行(かんけつせいはこう)です。少し前かがみになったり、座ったりするとしびれや痛みは軽減されます。
進行すると足の力が落ちたりや尿の出が悪くなったりします。
原因
加齢、労働、背骨の病気による影響で変形した椎間板(骨をつなぐクッションの役割を持つもの)と、背骨や椎間関節(脊椎の左右後方にある関節)から突出した骨などにより、神経が圧迫され、神経の血流が悪くなって症状が出ます。
治療・アドバイス
正しい姿勢で日常生活を過ごすことが大切です。
状態に合わせてコルセットの装着や消炎鎮痛剤や脊髄の神経の血行を良くする薬の内服、注射などで症状を軽減させます。
また、理学療法士による運動器リハビリテーションで、体幹強化および腰に負担のかからない姿勢や日常生活動作の指導を行います。
当院では必要に応じ、漢方や鍼治療やパーソナルトレーニングなども行っております。
脊柱圧迫骨折
症状
多くの場合、疼痛が軽度です。
高齢者の比較的弱い外力によっても生じる骨粗鬆症によるものや転落など強い外力により生じる外傷性椎体骨折などがあります。
重症では両下肢麻痺を生じるなど、さまざまな症状を呈します。
原因
背骨に上下方向からの力が加わって骨折します。
骨粗鬆症などで骨がもろくなっていると、尻もちをついただけや、中腰で物を持ち上げただけでも骨折することがあります。
治療・アドバイス
全治は約3ヶ月~6ヶ月。
その間コルセットを装着して、骨がつくのを待ちます。
圧縮された骨は元には戻らないので、これ以上つぶれないように防ぐことが大切です。
日常動作に気をつけていれば痛みは落ち着いてきますが、必要に応じて消炎鎮痛剤の処方をして痛みをコントロールします。
圧迫骨折が高度で不安定性強かったり、脊髄神経が骨片で圧迫を受けていたりしている場合や、いつまでも痛みが残るものには、手術が必要になることがあります。