肘の痛み
肘の痛みは一般的に腕を曲げ伸ばししたり、過度に使用したりする時などに痛みや症状をともないます。肘の痛みには、さまざまな原因や症状があります。

肘に関連する痛みや症状は以下のようなものがあります。
過度の使用や繰り返しの動きによる筋肉や腱の炎症
肘の関節や骨に影響する関節炎や骨折
神経や血管の圧迫や損傷によるしびれや腫れ
このような症状がみられたり、肘の痛みが長期間持続したり、激しくなったり、日常生活に支障をきたしたりする場合は、痛みや症状を放置せず、整形外科を受診ください。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
上腕骨外側上顆炎とは、肘の外側にある骨の一部が炎症を起こす症状です
症状
肘の外側に痛みや圧痛があり、手首や指を動かすと痛みが強くなります。痛みは慢性的で、日常生活に支障をきたすこともあります。
原因
肘の外側にある筋肉や腱が過度に使われたり、反復的なストレスを受けたりすることで、微小な損傷が起こり、それが炎症につながると考えられています。
特に、手首を伸ばしたり回したりする動作が原因となることが多いです。
治療・アドバイス
治療法は、まずは安静にして、冷却や消炎剤などで炎症を抑えることが大切です。その後、ストレッチや筋力トレーニングなどで筋肉や腱の柔軟性や強度を高めることが効果的です。
また、テーピングやサポーターなどで肘を保護することも有用です。
上腕骨顆上骨折
子供に起こりやすい腕の骨折として、上腕骨顆上骨折があります。小児の肘の骨折の中では、過半数を占めて最も頻度の高い骨折です。受傷原因は、90%以上が転落や転倒の際に肘を伸ばして手をついて受傷しています。
症状
上腕骨顆上骨折の症状として、肘の腫れや痛みがあります。また、皮下出血が起こり、骨折部の異常な動きが現れることもあります。神経や血管に影響が及んだ場合、手首の脈拍が弱くなり、手や指にしびれや冷感、感覚異常が起こることがあります。
これらの症状があった場合、整形外科を受診し医師による適切な処置をうけていただくことをおすすめします。
治療・アドバイス
上腕骨顆上骨折の治療法には、保存療法と手術療法があります。
変形の程度が軽い場合は、ギプスやキャストによる固定を行います。しかし、変形が大きくて不安定な場合には手術治療を行う場合があります。
上腕骨顆上骨折は、通常適切な治療が行われれば、通常は問題なく回復します。しかし、重症例では神経や血管が損傷されることがあり、後遺症など引き起こすこともあります。
骨折した部分では、骨が曲がって癒合することで、変形(内反肘)が残ることがあります。
肘内障
肘内障(ちゅうないしょう)は、肘の輪状靭帯と橈骨頭がはずれかける、いわゆる亜脱臼を起こしてしまった状態のことです。手を引っ張るなど肘内障は子どもによく見られる怪我のひとつで、特に小学入学前までのお子さんに見ることが多いです。
症状
2~6歳くらいのお子さんによく起きる症状です。腕を引っ張られた後に腕を動こそうとすると痛みが生じ、腕を下げたまま肘を曲げようとせず、触られることを嫌がることもあります。
原因
肘の靭帯(関節の骨を結ぶ紐のような組織)から肘の外側の骨が外れかかることによって生じます。
治療・アドバイス
骨を正しい位置に戻す整復術を行います。