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肩の痛み

  • 執筆者の写真: クリニック 有栖川整形外科
    クリニック 有栖川整形外科
  • 2023年6月29日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年3月15日


肩の痛み|有栖川整形外科


肩の痛みを引き起こす主な疾患として以下のものが挙げられます。


若年期   野球肩  

      外傷 肩関節脱臼 上腕骨近位端骨折 検査関節脱臼

中年期以降 肩関節周囲炎(四十肩)、肩腱板断裂、石灰性腱炎

   


これらの原因は、加齢や運動不足、身体の間違った使い方などにより、靭帯や関節といった肩の動く部分の「炎症」と「損傷」から痛みが発症します。



STEP1 |原因を調べる

まずはご自身の病名や重症度を知ることから始めよう


● デジタルX線検査

被曝量が少なく、デジタル処理にて均一な良い画質のX線検査により、関節の変形や形状を確認します。


● MRI検査

X線検査ではみることができない腱板や関節唇の状態を確認します。

※ 必要に応じて連携機関でMRI撮影を行います。


● 超音波検査

高性能超音波診断装置で腱板や筋肉の損傷の程度を確認します。




STEP2|痛みをとる

一人ひとりに最適な治療



● 薬

消炎鎮痛剤には、アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬、神経障害疼痛治療薬などから最適な薬を選択します。


● 漢方薬                                  

当院では、患者様の治療に西洋医学に加え、漢方医学を取り入れています。


● コルチゾン注射

コルチゾン(ステロイド)注射は、痛む部位のに注射することで、痛みを取る治療法です。

薬物療法と比べて、即効性が高い治療法です。


● ヒアルロン酸の関節内注射

ヒアルロン酸を肩関節へ注入することで、痛みの緩和や関節の滑りが良くなるといった効果が期待できます。


● 体外衝撃波/自費診療                        

衝撃波を患部に照射する新しい治療法、疼痛緩和と血流改善が期待できます。


● リハビリテーション


● 手術療法

手術が必要な場合、慶應義塾大学病院や広尾病院、日赤病院などの専門病院にご紹介します。



STEP3|痛くないカラダをつくる

予防・エイジングケア


● コンディショニング/自費診療

当院のコンディショニングは、医療資格を持つ理学療法士が医師の診断をもとに、症状の改善はもちろん、予防医学に基づいてストレッチからトレーニングで身体の状態をより良い方向に整えていきます。


● Youtube(動画)

自宅でもご自身に最適な体操を紹介しておりますので、ぜひお試しください。





肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

症状

肩関節周囲炎では、肩の痛みと動きの制限が主な症状です。


夜間や休息時の痛みが顕著になることが多く、肩を挙げたり、腕を後ろに回すときに痛みが増すことがあります。


肩の痛みは徐々に悪化し、肩を上げる動作や背中に手を回す動作などが困難になります。



原因

肩関節周囲炎の正確な原因は完全には解明されていませんが、誘因なく突発的に発症する原発性のものと病気や肩の怪我などの損傷後に発症する二次性のものがあります。


原発性のものに関しては40代〜50代にかけて発症することから四十肩や五十肩と言われています。肩関節の周囲にある腱や滑液包の炎症、肩の靭帯や関節包が肥厚することで可動域が狭まり、関節が徐々に硬くなります。



治療法・アドバイス

肩関節周囲炎の治療は一般的に炎症期・拘縮期・回復期の3つの段階に分けられ、それぞれ以下のような治療が行われます。


炎症期:痛みが強い時期で夜間や安静時での痛みの症状が顕著です。肩の動きの制限は比較的ありませんが、肩周辺にズキズキした痛みがあります。炎症期では痛みが強い場合、痛みを緩和させることが重要で必要に応じて痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用)や漢方薬、痛みを感じない安静肢位を保つことが必要になります。リハビリテーションでは過度に動かしすぎず関節の拘縮が起こらないように痛みを伴わない範囲で関節を動かしていきます。


拘縮期:痛みが徐々に落ち着く時期ですが、同時に肩の動きの制限が顕著になります。痛みがあれば痛みを緩和させることや動きの範囲を増やすためのストレッチ指導などを行い、痛みの少ない範囲で徐々に肩の可動域を広げていきます。


難治例の場合には主治医に相談のもとサイレントマニュピレーション(受動的肩関節非観血的受動術)を用いることがあります。この手技は、患者が麻酔下にある状態で、医師が無理なく肩関節を動かして癒着を剥がし、動きを改善させる方法です。サイレントマニュピレーションは一般的な保存方法で十分な効果が得られなかった場合に用いられます。


回復期:日常生活の制限が徐々になくなる時期で、可動域が徐々に向上し回復していきます。ここでは受動的な手技よりも積極的な運動療法(ストレッチやエクササイズ)が重要になります。必要に応じてご自身で行っていくセルフケアストレッチなどを紹介していきます。


肩関節周囲炎の症状は、完治までに6ヶ月〜12ヶ月、または24ヶ月(2年程度)かかると言われており、長期的なリハビリテーションが必要になります。当院では、病気を医師と確認しながら患者に合わせた治療方法を提案していきます。



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腱板損傷

症状

肩腱板損傷や腱板断裂の主な症状には、肩の痛み、肩を動かした時に力が入らないなど肩を動かす能力が顕著に低下することなどがあります。


肩を横に挙げた時に肩の高さの領域で痛みを伴うことが多く、このような症状は回旋腱板(肩のインナーマッスル)の機能不全による関節の安定性の喪失によって生じることが原因と考えられています。


原因

肩腱板の損傷や断裂は、過度な使用、加齢による摩耗、急激な負荷や外傷によって生じることがあります。


特に、肩よりも高い位置で腕を伸ばす動作の多いスポーツ競技や重い物を頻繁に持ち上げる動作などは、腱板へのストレスを高め、損傷のリスクを増加させます。


また、加齢による腱の自然な摩耗も、腱板断裂の重要な原因となりますが、腱板の病理を患っている人の中には無症状の場合もあるため、症状と身体所見が一致しているかどうかを医師の診断によって確認することが重要です。

治療・アドバイス

肩腱板損傷や腱板断裂の治療は、損傷の程度や患者の生活スタイルによって異なります。


保存療法: 軽度から中等度の損傷では、一般的に手術を必要とせず保存療法が行われます。保存療法では痛みと炎症を管理するための薬物療法(非ステロイド性抗炎症薬)や肩を安静に保つこと、理学療法士によるリハビリテーションが処方されます。


リハビリテーション: 医師の指示のもと理学療法士によって行われます。肩の機能を回復させるために、関節の動きを改善するストレッチや肩の筋肉を強化するエクササイズを行います。


手術: 重度の損傷や保存療法によって改善効果が見られない場合は、手術が選択されることがあります。手術には、腱の修復、腱板の再建、場合によっては肩関節の置換が含まれます。当院では手術を行うことができないため専門の医療機関に紹介しています。


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肩石灰沈着炎

症状

肩の石灰沈着性腱板炎は、腱板腱内のカルシウム沈着の存在によって特定される一般的な痛みを伴う病態です。


主な症状は肩を動かした時の痛みや、肩の動きの制限、重症例では夜間の痛みや指まで広がるような放散される痛みなどがあります。


石灰沈着性腱板炎は肩の X 線写真によって行われ、腱板挿入部を覆うカルシウム沈着物の目に見える兆候が見られるため、症状の兆候がある場合は速やかに整形外科に受診することが望ましいです。

原因

石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板内に石灰のような沈着物が形成されることによって起こります。


これは、腱の組織の変性や損傷が原因で、石灰化が起きやすい状態になります。


その正確な原因は不明ですが、血流不足や腱への過度のストレスが関与すると考えられています。

治療・アドバイス

保存療法: 初期段階では、冷却療法、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、物理療法が用いられます。また痛みが続く場合や石灰沈着が大きい場合には体外衝撃波療法が有効的です。これは、高エネルギーの衝撃波を石灰沈着部位に当てることで、石灰を分解し、痛みを軽減させることが期待できます。


リハビリテーション: 医師の指示のもとリハビリテーションを行います。まずは痛みを緩和するための受動的な治療介入を行います。痛みの管理が出来た場合は、肩の機能を回復させるためにリハビリテーションが重要です。肩の筋肉を強化し、可動域を改善するエクササイズが行われます。


手術: 保存療法で改善が見られない場合は、石灰沈着物を除去する手術が行われることもあります。


野球肩


症状

ここでは野球選手に見られる肩の障害のことについて説明していきます。


主な症状として投球時や肩を上げる動作をする際に肩に痛みが生じたり、肩の可動域が制限され、特に投球に必要な肩の外旋の動きが困難になる、投球時のパフォーマンスが低下し、球速や制球力が落ちる、肩の周囲の筋肉に緊張や疲労感が生じるなどを症状 がります。


これらの症状は、過剰な投球動作や不適切なフォームによる肩関節の過度なストレスが原因の可能性があります。肩の構造が繰り返しの負荷によって損傷することで、炎症や痛み、そして最終的には機能障害につながるため、症状の原因について調べる必要があります。

原因

野球肩の主な原因は、繰り返しの投球動作による過度なストレスによって引き起こされます。


特に、肩の腱や靱帯への連続した過負荷や肩関節の不安定性などが原因となって生じることがあります。


また、肩の使い過ぎによる炎症や、肩甲骨周りの筋肉の不均衡も関連してるため、症状が慢性化する場合は機能障害の問題を適切に診る必要があります。

治療・アドバイス

保存療法: 初期段階では、活動の制限や安静を保ち、投球活動を休止することが推奨されます。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用して炎症を抑えます。物理療法も重要で、肩の可動域を改善し、肩甲骨の安定性と肩周囲の筋肉のバランスを取り戻すためのエクササイズが行われます。


リハビリテーション: 医師の指示のもと理学療法士によって行われます。投球動作に特化したリハビリテーションが実施されます。肩と肩甲骨の筋肉を強化し、肩の可動域を正常化させるエクササイズが含まれます。肩の不安定性を改善するために、トレーニングも行う必要があります。


手術: 保存療法による改善が見られない場合、または肩の構造的損傷が重度の場合は、手術的介入が検討されます。手術は、肩関節の安定化や損傷した腱の修復を目的として行われます。


野球肩の治療と回復には、患者自身の積極的な参加と、医師や理学療法士との密接な協力が必要です。また、投球フォームの改善や、投球数の管理など、再発防止策の導入も重要となります。






 
 
 

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