股関節の痛み
- クリニック 有栖川整形外科
- 2023年7月6日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年3月25日

股関節の痛みを引き起こす主な疾患として、以下のようなものが挙げられます。
若年期 単純性股関節炎 ペルテス病 大腿骨頭すべりり症
中年期 大腿骨頭壊死症 股関節唇損傷 変形性股関節症
高齢期 変形性股関節症 大腿骨近位部骨折
これらの原因は、いずれも先天的か姿勢や外傷、動作、加齢により、股関節や周囲の軟部組織の「炎症」か「変形」から来る痛みが大半です。
STEP1 |原因を調べる
● デジタルX線検査
被曝量が少なく、デジタル処理にて均一な良い画質のX線検査により、関節の変形や形状を確認します。
● MRI検査
X線検査ではみることができない軟骨や股関節唇の状態を確認します。
※必要に応じて連携機関でMRI撮影を行います。
STEP2|痛みをとる
一人ひとりに最適な治療
● 薬
消炎鎮痛剤には、アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬が使われます。
● 漢方薬 当院では、患者様の治療に西洋医学に加え、漢方医学を取り入れています。
● ブロック療法
ブロック療法は、痛む部位の神経付近に麻酔薬を注射することで、痛みを取る治療法です。
薬物療法と比べて全身への影響が少なく、即効性が高いというメリットがあります。
● リハビリテーション
当院のリハビリテーションは、医療資格を持つ理学療法士が一人ひとりの症状に合わせた最適な徒手療法・運動療法で対応します。
● 鍼治療/自費診療
鍼治療とはカラダの特定の経穴(ツボ)を針で刺激し、症状を緩和する治療法です。
世界保健機関WHOにも効果が認められており、アメリカ、ヨーロッパでは日本以上に医療現場、プロスポーツ現場で活用が進んでいます。
● 手術療法
手術が必要な場合、慶應義塾大学病院や広尾病院、日赤病院などの専門病院にご紹介します。
STEP3|痛くないカラダをつくる
予防・エイジングケア
● コンディショニング/自費診療
当院のコンディショニングは、医療資格を持つ理学療法士が医師の診断をもとに、症状の改善はもちろん、予防医学に基づいてストレッチからトレーニングで身体の状態をより良い方向に整えていきます。
● インソール作成
足の形と歩行分析からつくる完全オーダーメイドインソールで、歩行をサポートします。
● メデイカルダイエット
医師のサポートを受けながら医薬品や医療機器などを用いて、減量やボディメイクをはかる健康的なダイエット法です。
● Youtube(エクササイズ動画)
自宅でもご自身に最適な体操を紹介しておりますので、ぜひお試しください。
変形性股関節症
症状
変形性股関節症の主な症状は、股関節の痛みやこわばりです。最初は立ち上がった時や歩き始めた時に足の付け根に痛みを感じます。
次に長時間の歩行や階段の上り下り、椅子からの立ち上がり時に痛みが顕著になることが多いです。
進行すると、安静時でも痛みを感じるようになり、靴下を履いたり、足の爪切りをするのが難しくなるなど、日常生活に支障をきたす場合もあります。
また、関節の可動域が狭くなり、股関節が硬く動けなくなることも一般的な症状です。
原因
変形性股関節症の痛みの原因は、股関節の軟骨がすり減ることにより、骨と骨が直接ぶつかり合うことにあります。
原発的な一次性のものと股関節の既往歴(臼蓋形成不全など)などによって発症する二次性のものがありますが、多くの場合は2次性のものがほとんどです。
この軟骨の劣化は、加齢、過体重、股関節への過度な負荷、過去の怪我や股関節の形状の異常などによって引き起こされます。軟骨は自然には修復されにくいため、一度
劣化が進むと症状が悪化しやすいのが特徴です。
最近ではFAI(股関節インピンジメント:股関節の動きが悪く詰まりやすくなること)が二次性の変形性股関節症を発症させるリスクに繋がります。そのため、股関節の機能障害を早期に改善することが重要です。
治療・アドバイス
保存療法:変形性股関節症の治療は、一般的に保存療法が優先されます。痛みの管理のために、薬物療法、体重管理などを行います。
リハビリテーション:医師の指示のもと理学療法士によって行います。股関節の可動域を行動させる治療手技や適切な運動療法により、股関節周囲の筋肉を強化し、関節の安定性を高めるためのストレッチ・エクササイズを紹介します。
手術:股関節の変形が進行している場合は症状が重度の場合には、関節置換手術が検討される場合もあります。手術が必要かどうかはまず受診いただき、診察時に担当医師とご相談ください。
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臼蓋形成不全
症状
臼蓋形成不全は、股関節の痛みや違和感を主な症状として訴えます。特に、運動後や長時間の立ち仕事の後に症状が現れることが多いです。
進行すると、股関節のこわばりや動きの制限が生じ、日常生活に支障をきたすこともあります。若年層では、特に活発に活動することで症状が現れやすくなります。
原因
臼蓋形成不全は、股関節を構成する臼蓋(股関節のソケット部分)が正常に形成されないことで発生します。
これにより、大腿骨頭(股関節のボール部分)と臼蓋との適切な嵌合が得られず、股関節の安定性が低下します。
結果として、運動時に不適切な負荷がかかり、股関節に痛みやその他の症状を引き起こします
治療・アドバイ
保存療法:股関節への負担を減らすことが目的です。活動の調整、適切な体重管理、痛みを軽減するための薬物療法が含まれます。また、股関節を支える筋肉の強化を目指した物理療法が推奨されることもあります。
リハビリテーション:医師の指示のもと理学療法士によって行います。リハビリでは股関節の安定性と可動域の向上を目指します。股関節周囲の筋力を強化し、バランス能力を高める運動が中心となります。
特に、股関節に負担をかけずに行える水中運動や、低負荷のストレッチングが有効です。
手術:症状の重度に応じて、手術療法が選択されることもあります。臼蓋形成不全の手術には、臼蓋や大腿骨頭の位置を修正するための骨切り術や、股関節の安定性を高めるための再建手術があります。
特に、保存療法やリハビリテーションによる改善が見られない場合や、股関節の損傷が進行している場合に検討されます。
臼蓋形成不全は、適切な治療と管理により、多くの患者様が日常生活を送ることができます。股関節に違和感や痛みを感じたら、早めに整形外科クリニックにご相談ください。
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